「動力工事とは具体的にどんな工事なのか」「三相200Vではどのような設備を動かしているのか」と疑問に感じる方もいるでしょう。
動力工事は、工場や店舗などで使用される業務用エアコンやコンプレッサー、工作機械などを動かすために欠かせない電気工事の一つです。
この記事では、動力工事とは何かをはじめ、三相200Vの特徴や単相200Vとの違い、対象となる設備、具体的な仕事内容、必要な資格についてわかりやすく解説します。
電気工事士の仕事内容について知りたい方や、電気工事業界への就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
■動力工事とは

動力工事とは、工場や店舗などで使われる業務用機器へ、必要な電気を供給するための工事です。大型の設備を安定して動かすため、三相200Vと呼ばれる電源が多く使われます。
・三相200Vの仕組み
三相200Vとは、3つの電気の流れを組み合わせて電力を送る方式です。家庭で一般的に使われる単相よりも、大きなモーターを効率よく安定して動かしやすい特徴があります。
そのため、工場の工作機械やコンプレッサー、店舗の業務用エアコンなど、消費電力の大きな設備で利用されています。動力工事では、こうした機器に合わせてブレーカーや配線、コンセントなどを設置します。
・単相200Vとの違い
同じ200Vでも、単相200Vと三相200Vでは電気の送り方や用途が異なります。
単相200Vは家庭用エアコンやIHなどで使われるのに対し、三相200Vはモーターを使用する業務用機器などに使われます。そのため、200Vと表示されている機器でも、単相と三相を確認して適切な電源につなぐ必要があります。
・動力電源の特徴
動力電源は、工場や店舗、事業所などで大型設備を動かすために利用される電源です。業務用エアコン、ポンプ、コンプレッサー、工作機械などが代表例です。
動力工事では、使用する機器の容量や設置場所を確認し、必要に応じて動力用の分電盤やブレーカー、配線を施工します。電気工事士にとって、設備の特徴を理解しながら安全に電源を供給するための知識と技術が求められる仕事です。
■動力工事の対象設備

動力電源は、大きな力を必要とする機械や設備で使われます。電気工事士を目指す方は、どのような設備に動力工事が必要なのかを知っておくと、実際の仕事内容をイメージしやすくなります。
・業務用エアコン
店舗やオフィス、工場などに設置される業務用エアコンでは、三相200Vの動力電源が使われることがあります。広い空間を冷暖房する設備は大きな電力を必要とするためです。
ただし、業務用エアコンでも単相200Vを使用する製品があり、すべてに動力工事が必要なわけではありません。工事では機器の仕様や電気容量を確認し、必要に応じてブレーカーや配線を設置します。
・コンプレッサー
コンプレッサーは、空気を圧縮して高い圧力の空気をつくる機械です。工場での機械の稼働や工具の使用など、さまざまな場面で利用されています。
モーターを動かすために三相200Vを使用する機種もあり、新設や増設の際には動力用の配線やブレーカー、コンセントなどの工事が必要になります。
・工作機械やポンプ
工場で使用される旋盤やプレス機などの工作機械、液体を送るポンプにも動力電源が使用される場合があります。
こうした設備はモーターを利用するものが多く、安定して稼働させるには機器に合った電源設備が欠かせません。電気工事士は機械の電圧や容量、設置場所などを確認し、安全に使用できるよう配線や接続を行います。
■動力工事の仕事内容

動力工事では、機器を設置するだけでなく、必要な電源を安全に供給できる環境を整える作業が行われます。現場では設備の種類や使用電力を確認しながら、配線や接続を進めていきます。
・動力電源の引き込み
新しく動力設備を導入する場合は、必要に応じて三相200Vなどの電源を使用できるように引き込み工事を行います。既存の電気設備で容量が足りるかを確認し、状況によっては電力会社への申請や契約内容の変更が必要になることもあります。
工場や店舗では複数の機械を同時に使うケースもあるため、使用する設備の電気容量を事前に確認することが重要です。電気工事士は、現場の条件に合わせて安全に電気を供給できるよう施工を進めます。
・配線と機器の接続
電源を確保した後は、分電盤やブレーカーから使用する機器まで配線を行い、設備へ接続します。配線には電気を安全に送る役割があるため、使用する機器の容量や電圧に合った電線を選ぶ必要があります。
また、接続後には正常に電気が流れているか、安全に使用できる状態かを確認します。動力工事では、単に線をつなぐだけではなく、設備の仕様を理解しながら正確に施工する技術が求められます。
■動力工事に必要な資格

動力工事に携わるには、工事する設備や電気設備の範囲に応じて電気工事士の資格が必要です。第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗などの一般用電気工作物等に関する工事を行える資格です。
一方、第一種電気工事士は、第二種で対応できる範囲に加えて、一定規模までの自家用電気工作物の工事にも携われます。工場やビルなどでは高圧で受電している設備もあるため、現場によって求められる資格や作業範囲が異なります。
動力工事の仕事を目指す場合は、まず第二種電気工事士を取得し、実務経験を積みながら第一種電気工事士を目指すことで、対応できる現場や工事の幅を広げやすくなります。
■まとめ
動力工事は、工場や店舗などで使用される業務用エアコンやコンプレッサー、工作機械などへ電気を供給するための重要な仕事です。
三相200Vをはじめとした動力電源の特徴を理解し、設備に合わせて配線やブレーカーの設置、機器への接続などを行います。現場によって使用する設備や施工内容が異なるため、経験を重ねることで幅広い電気工事の知識や技術を身につけられる仕事です。
電気工事の仕事に興味がある方は、まず動力工事をはじめとするさまざまな工事の仕事内容を知り、自分がどのような現場で働きたいのかを考えてみましょう。未経験からでも経験を積み、資格を取得していくことで、携われる工事の幅を広げていくことができます。
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